浅く、深くキスを繰り返していると、俺は自然に瑠華の華奢な肩を抱きしめていた。


甘い吐息が鼻の下をくぐり、彼女が着ていたカットソーの上からも分かる柔らかい感触を楽しむかのように腕に力を入れると


彼女を壊してしまいたい衝動に駆られる。


唇が離れると、瑠華は俺をまじまじと見下ろしてきた。


ちょっと目尻の上がった猫のような愛嬌のある目が俺を捕らえて、じっと見据えている。


無言で見つめ合っていると、彼女は俺の額にキスを落としてきた。


くすぐったそうに笑みをちょっと漏らすと、その反応を楽しむかのように瑠華は俺の鼻の頭や顎にキスをして


やがて耳元や、首筋まで降りていった。


彼女の冷たい指先は俺の胸元を撫であげ、へその辺りまでゆっくりと降りてくる。


ぞくり、と快感の衝撃がつま先から頭のてっぺんまで走る。



え…?え??


どーしたの!?瑠華さん!今日は積極的じゃない!!


なんてドキドキしっぱなしの俺の腹の上に瑠華は顔を乗せると、


「ふぅ」と可愛らしく吐息を漏らし、


―――そのまま動かない。


…………


って言うか俺、放置!?


これがホントの放置プレイ!っじゃねぇ!!


「あの……瑠華さん…?」何がしたかったのか分からず、俺はおずおずと聞いてみた。


「啓のおなか…硬い」


「柔らかかったら問題だろ」


俺の答えにふふっと瑠華は小さく笑い声を漏らし、俺の腰をぎゅっと抱きしめてきた。


そして何気なく顔を上げると、


「イロイロ、元気そうですね」なんて、冷めた目で俺を見上げてくる。