Fahrenheit -華氏- Ⅱ



結局俺は応接室の長いソファに、無理やり寝かされると


「少し休んでください。仕事は僕が何とかしますので」と意気込んで足早に去っていった。


佐々木、頼もしいな…



照明を落とした薄暗い応接室。


大した広さもないから、妙に落ち着く…


俺はぼんやりと定まらない視界で、灰色の天井を見上げて、やがて目を閉じた。


体が疲れているというものあったのだろうか。今頃になってようやく眠気がきた。





一人だし…ぐっすり眠れそうだ。




瑠華はニューヨーク。


五年前に別れた真咲が現れ、


裕二はストーカされてる。


綾子は浮気中だし


桐島はワンナイトラブときてる。(←もう時効だよ)


二村は鬱陶しいし、


瑠華ちゃんは相変わらず可愛い(←この辺思考がぐちゃぐちゃ)


どーなってんのよ…俺の周りは……



そんなことを考えながら、






やがて俺は深い眠りに落ちていった。