「君をこれから、ショウタって呼んでもいいかな」


 雨の寒さで震えるショウタを抱き上げて、
「ショウタ」と何度も伝えた。


「寒さでこんなに震えて、かわいそうに……
これから、僕と一緒に暮らそうね」


 いつしか翼の顔が幸福という笑顔に包まれていた。


 ショウタと過ごす日々は、
翼にとって今や欠かせない存在になっている。


 翼は広告代理業のサラリーマンとして、
忙しい日々を送っていた。


 また、翼は企画担当で連日、残業も多く、
帰宅時間が不規則であった。