「僕が悪いんだ! お願いします! 
神様、どうか弟の翔太を生き返らせてください、お願いです……」


 ふと我に返った時、僕は涙が止まらなくて、
咽るように泣いた。


その様子を何か心配そうな眼差しで見つめている一匹の子犬がいた。


「本当にごめんね、翔太、うっ、ぐっ」


 僕は涙で霞む視界の中、大きい声で、


「僕は佐藤 翼です」



 子犬に向かって翼は手で胸を押さえながら、「翼」と何度も紹介した。