素直に名前を書いて、ボールペンをジッと見つめ、そして自分の掌を見た。 しかし節ばった大きな掌に包まれてあたしの掌は見えなくなった。 「な? ナギサは消えてないだろ? これからはずっと一緒。 ナギサが俺の生命線だ」 「…つまりあたしはボールペン役?」 ここは感動するシーンなのかもしれないけど、ボールペン役はやだ。 突っ込まずにはいられない。