流「お前の・・・雪菜の力になれたから。」

「!!」

流「辛い時は俺のとこ来いよ。相手になってやる。」

「・・・ありがとう。」

涙が出た。

でもそれはやっぱり右目だけ。

左目からは一粒も出なかった。

流「涙が片方だけでもちゃんと出てる。ちゃんと雪菜は泣けてる。大丈夫。完璧に失ってなんかない。まだ希望がある。」

私は泣きながら頷いた。

しばらくして涙が止まった。

「流、ありがとう。」

流「さっきからありがとうばっか言ってる。」

ククッと笑った。

流「もうすぐ退院出来るから迎えに来てくれないか?俺、親海外に居るからさ。」

「いいよ。話聞いてくれたお礼。流はお母さんたちにずっと会ってないの?」

流「ああ。こんなこと日常茶飯事だから心配しないんだよ。」

流の顔は少し寂しそうだった。

「親が心配してなくても私はしてるよ。」

流「雪菜・・・」

「私だけじゃない。カイトやカイ。晶、那珂、武威みんな心配してるよ。だからその、なんて言えばいいのかわからないけどそんな顔しないで」

「ごめん。今感情がないから心がまったくこもってない言い方でけど心配だから」

流「ありがとな。」

「笑ってくれたね。暗い話してからずっと暗かったから。」

流「俺がさっきまで慰めてたのに次は俺が慰められたな。」

「だね。」

トントン

流「誰ですか?」

?「私です。」

流「お袋!?」

流父「私も居るぞ。」

流母「入るわよ。」

流「ちょっとまて!!」

流が小声で

「ちょっと来い!」

「え?ちょ!」

布団中に入れられた。

流「静かにしておけよ。ばれるとめんどうだから」

「わかった。」

流「入っていいよ。」