トントン

「失礼します。」

流「誰?」

「俺だよ。玲央。」

流「はぁ?」

「実は女だったんだよ。家の事情男装して通ってたんだよ。」

流「・・・信じがたいけど嘘言ってるようには見えねぇ。信じてやるよ。名前は?」

「神谷雪菜」

流「お前あの神谷財閥の令嬢?」

「違う。趣味で経営してるだけだ。」

流「趣味って・・・神谷財閥って俺たちがまだ産まれていない頃からあんのに?」

「祖父がこの病院経営する前やってた。普通ママが継ぐのにママは黒木財閥継いだ。」

「その頃にはもう私は産まれていた。確か6歳だったかな。」

流「どんだけすげぇんだよ・・・」

「それよりはい。これ。お見舞い。金と果物の詰め合わせ。」

流「金まで入れるか?普通・・・」

「初めてなんだからしょうがねぇだろ?こんなことないし・・・」

流「世間知らずだな。」

「だからあの高校に入ったんだ。」

流「だろうな。」

「そういえば、流はさ、私が雷神の総長ってこと知ってた?」

流「お前が総長!?」

「ああ。」

流「すげぇな!憧れる。」

「ありがとう」

流「お前さっきからずっと無表情だな。何かあったか?」

「・・・聞いてくれるか?」

流「ああ。どんなことでも受け止める。」

「そうか。ありがとう。」

流にすべて話した。

今まで起こったこと。

すべて・・・

流「俺が居ない間にそんなことがあったのか・・・」

「私が感情消えたことを言ったの流が初めて。お願い。このこと誰にも話さないで・・・」

流「わかった。」

「暗い話になってごめん・・・」

流「いいぜ。別に。お前話せてちょっとは楽になっただろ?」

黙って頷く。

流「俺はそれだけで嬉しいよ。」

「なんで・・・?」