愛を教えて。

とりあえず、床に散らばる服たちを一つひとつ拾いながら、前に進んだ。


靴下を拾ったところで、中腰になった体を起こすと、自分の寝室の前。


今朝、家を出るときにはきちっとドアを閉めたはずなのに、ドアは少し開いていた。


少しだけ開かれた扉から中を覗くが、タンスが見えるだけで様子が窺えない。



ふと、耳をすますと「スースー」という寝息らしきものが耳に入った。



「誰か寝てる…」



ドアに伸ばしかけた手をひっこめると、私は一歩、ニ歩と後ずさる。


完璧に…変質者が寝室にいる。

私はそう確信した。