愛を教えて。

糸井エリナがやっと言葉を発して、沈黙は終わりを告げる。



尻もちをついた拍子に、両手を地面についてしまったようで、糸井エリナの手のひらには小粒の石が付着していた。

それを払いながら、


「なんで、あたしが…なんで…」

とブツブツつぶやいている。






とりあえず、地面に座ったままの彼女をそのままにしているのは良くない。

通りかかった人が変な噂を広めて、ここに住めなくなるかもしれない。


私は、彼女の腕を掴んで立たせようとした。





「キャッ…なにすんのよ!触んないでよ!」








思いっきり睨みつけてくる。


耳元でキンキン叫ばれて、私の鼓膜が悲鳴を上げている。





「とりあえず、立ってください。目立ちますから」