「白石さん、のどかわいた」
突然、糸井が話しかけてきたと思ったら、飲み物の催促だった。
少し歩いたところに、自動販売機を見つけた。
「あそこの自販機で買ってきます。なにがいいですか?」
「は?あたしに自販機のジュース飲めっての?」
え?どういうことだろう。
「あんた、白石財閥のご令嬢でしょ?あ、そっかぁ、庶民のうちらには、自販機のジュース程度がお似合いって言ってんだ」
「ちがいます!」
自販機のジュースが癇に障ったらしい。
世間がイメージするお嬢様像にピッタリなのは、糸井エリナの方だ。
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