愛を教えて。

「いいよ。埋め合わせに期待してるから」


「わかった!任せて」



「エリナ、私も今日は親と食事の約束してて」



「私も、明日の放課後は遊べるけど、今日はちょっと…」




会話を聞いていると、今日は糸井エリナ以外、用事があるらしく一緒に帰れないようだ。



いちいち、糸井エリナに許可をとる友人たち。


そう機嫌をとらなければならないような人間なのだろうか。糸井エリナは。


ぼーっと見つめていると、いつのまにか糸井以外の友人たちは教室からいなくなっていた。


糸井は携帯を開き、なにやらメールをしている。





……今なら、帰れるかも。







私は、こっそりとカバンを持ち、音をたてないように席を立つと、身長にドアまで歩いた。








「白石さんも用事あんの?」