愛を教えて。

キーンコーン……





放課後を告げるチャイムが鳴る。


担任の教師は、諸連絡を早々と終わらせると、委員長にHRの終わりを促した。


「起立、礼、さようなら」



委員長の号令が終わると、部活生は勢いよくクラスを飛び出し、各々の部室に向かう。


私は、カバンに教科書や、筆箱をしまいはじめた。



今日の昼休みに、友人たちは何も言ってなかったので、今日は普通に帰れる。



そうだ、いい機会だし、時計買いに行こう。



クラスには、ほんの数人の生徒と、糸井含む友人たち。
……彼女たちより先に帰るのはどうだろう。
きっと呼び止められるに違いない。


そうして、得られるはずだった静かな放課後を失いかねない。



どうするか。




悶々と考えていると、友人たちが席を立ち始めた。



「エリナ~ごめんね!今日私、彼氏とデートなの!」