愛を教えて。

糸井が、私の肩を力任せにつかむと、耳元で静かに笑った。



「昨日は時計ありがと!これ超かわいいじゃん!」




あなたにあげたつもりはない。


私は、兄からの時計に目をつけられないように、うまく手を隠した。




「今日のお昼は、中庭だから、あと昼飯頼んどいて、よろしく」



それだけ言うと、糸井は自分の席に歩いていく。



彼女の取り巻きのような友人たちもそれに続く。







私は、小さく安堵のため息を漏らした。















「今日も、同じ一日が始まる」