愛を教えて。

私から見れば、その姿は滑稽としか言いようがないけれど。




…考えない。考えない。



もう、不要なことは考えない。


高校3年間、静かに穏やかに過ごす。



それができればいい。




ツーンと、鼻に突き刺さるような香水のにおいとともに、ガヤガヤとうるさい団体がクラスのドアを乱暴に開けた。



「長瀬おはよー!」


「エリナおっはよ~!」





私の“友人”のご登校。


他クラスから遊びに来ていたらしい、長瀬という子に、あいさつをする糸井エリナ。


今日も相変わらずの厚化粧。


一通り、クラスのみんなに挨拶をし終えた、糸井たちの集団は、こちらに近づいてくる。




「おはよう、白石さん」
「おっはよ~」
「おはよう!!」



明るい声が、私を責めるように周りを取り囲む。







…考えない。考えない。