愛を教えて。

助けを求めるにも、先生に頼ったら彼女たちいわく


“ひいき”


とみなされる。



私は、しかたなく。


“お金”で解決することにした。



それからというもの、彼女たちは私の財布を自分のもののように使い始め、私は所謂“パシリ”という存在に落ち着いた。



彼女たちの言うことを聞いておけば、なにも起こらないし、誰も傷つかない。


その代わり、私の財布から、彼女たちの毎日の昼食代が消えていく。



まぁ、私のお金であって、私が稼いだものではないから、いくら使われても、そう気にはしないけれど。

歩いて30分。




校門を早歩きで通り過ぎて、靴箱を目指す。



どうか、来ていませんように。


友人たちがまだ来ていなことを祈りながら、私は靴を脱いだ。
校舎内用のスリッパに履き替える。



「糸井・・・・よかった。来てない」


友人たちのリーダー格の靴箱をみると、まだスリッパが入ったまま。

彼女がいないということは、ほかの友人も来ていないということ。

よかった。






「あれ、白石さん?どうしたの?」



突然真後ろから聞こえてきた声に、思わず私の体はビクついた。