リビングに行くと、カレーの香り。


………夢じゃなかったんだ。


本当のことだったんだ。


この部屋に他人が来て、一緒にご飯食べたこと。



もしも、夢であったならって期待していた。





他人とかかわったことで、良いことなんて今まで一つもなかったから。


朝ごはんは、食べなくていいかな。

一瞬、鍋を見て、再び学校へ行く準備を始める。


制服に袖を通し、髪をささっと整えて、薄く化粧をする。




「あ、腕時計」


あぁ、昨日“友人”と遊んだ時に…。