愛を教えて。

「なんだよぉ~ノリ悪いなぁ」

赤いゴムで結われた前髪がちょこんと揺れる。

すると今度は、何かを思いついた表情になり、私のそばに歩みよってきた。

あまりに早いその動作に私は後ずさることもできずに、体を固くする。





「君の名前は?」




名前なんて聞いてどうするのだろう。


これからずっとつきまとって、金をせびるのだろうか。


あの“友人”達のように。


お金の切れ目が縁の切れ目。


昔の人は素晴らしいことわざを残したものだ。



私の場合、お金がなくならない限り、縁を切ることができないという解釈だけれど。