愛を教えて。

カレー…。


そうだ。この鼻をつく辛そうでいて空腹を誘う香り。

カレーだけれど、振り向いた男は終始笑顔でこちらを見ている。


「あなた誰」


私自身が頭に思い描いていた「変質者」の容姿と目の前の男は全く違っていた。


ボサボサとした頭でメガネをかけ、ハァハァ言っている野郎とはかけ離れている。


どちらかといえば、そういう根暗な奴にたかるヤンキー。


白に近い金髪、前髪を赤いゴムで結んで妙な可愛さを演出している。


顔は…メガネはかけていなくて、眉が限りなく細いが、それ以外のパーツはいたって普通だ。
というより、世の女子たちならすぐにでも飛びつきそうな整った顔をしている。

そんな男が目の前にいる。


どうして。