愛を教えて。

寝起きでおぼつく足取りをキッチンの方へ向けた。


徐々に頭が冴えてくる。


そうだった。


「変質者」がいるのだった。


さっきまで自分がいたリビングの隅を振り返ると学生服がある。


キッチンでガサゴソと何かをしている「変質者」。



いくらつまらない人生を送っているからと言って、まだ死にたくはない。



うしろに下がろうと、足を一歩さげると、不運なことに、フローリングの床がギシッと音を立てた。


まずい…。


キッチンで何かをしていた「変質者」が動きを止める。


後ろ姿は、Tシャツ姿。


身長は180cmほど、まず私の力では抵抗できるわけがない。



Tシャツ変質者は、ゆっくりとこちらを振り返った。