ある女子高で…
美姫は友達の千恵からこんな話を聞いた。
「ねぇ、ねぇ知ってる?」
「何?」
「未来を予言する占い師の話。」
千恵は占い好きだが、美姫は占いなどは信じたりしない。
「また〜。どうせ前みたいに外れるんだから、やめておきなよ。」
「大丈夫、大丈夫。で、その占い師が今、うちらの町に来てるんだって。」
「ふ〜ん。じゃあ行くんだ。」
「え?美姫も一緒に行こうよ。」
「ウチは行かないよ〜。」
「い〜じゃ〜ん。行こ〜よ〜。どうせ暇じゃん。」
まぁ確かにと美姫は思った。
「じゃあ、今週の日曜日ね。」
「わかった。」
日曜日…
美姫と千恵が占い師のいる場所に行くと、そこには小さいプレハブがあり、すごい列が出来ていた。
「ねぇ、美姫。すごい列だね?」
これに並ぶのかと美姫が思っていると、プレハブから女の人が2人出てきて、片方は悲しそうに泣いている。ひどい未来でも待っているのだろうか。
それから、しばらく並んでいたが、人がいろんな表情で出てきていた。
そして、美姫達の番になり中に入ると、見るからに占い師っぽい格好の人が水晶の前に座っていた。
(うわぁ、インチキくさっ。)
「それでは、そこの椅子に座って下さい。」
「はい!」
千恵はノリノリだ。
「未来のどのような事を占いましょうか?」
「じゃあ、私は未来の旦那がどういう人か。」
「私は…この先一週間の私。」
美姫は当たる訳がないと思い、適当に答えた。
「それじゃあ、まず、そちらの…。」
「千恵です。」
「はい。それでは、ハァ!」水晶玉には特に何も映っている様子はない。
本当に見えているのかよ。と美姫は思った。
「千恵さん、あなたの未来の旦那さんは今はスポーツと勉強との両立をしていて、とても優しい方です。」 「え〜!それって杉山君じゃん!」
杉山とは千恵が好きな男子だ。
「はい。では次はあなた…」
「美姫です。」
「美姫さんの1週間後の未来は…」
早く言ってほしかった。信じていないとはいえ、気になるのだ。
「あの〜。美姫さんの未来は1週間後までないです。」
「え?」
「あなたは3日後に死にます。」
訳がわからなかった。