「落ちつけ。大丈夫だから。」

「私は死にたくなかった…だから
【嫌だ】って言おうとしたらその前に…日向が…
自分で手を離したの…。それからは…」

「…もういい。…篠原…きつかったんだな。
俺の言葉じゃどうにもできねェ過去持ってんだな…。
でも、日向さんが死んだのはお前のせいじゃねぇ。」

「でも…私がもっと日向を大事にしてたら…
日向に優しく出来てたら…」

「お前のせいじゃない。日向さん自身辛かったんだと思う。
篠原の事殴ったり蹴ったり。心のどっかで自分も傷ついてたんだよ。
だから…」

そう言って一樹君は私を抱きしめた。
「ひとりで抱え込むなよ…」

「…わぁぁぁぁぁあああああああああああ」

私の記憶の扉は崩れ落ちた。

それと同時に儚い気持が浮かんできた。

また恋しても、罪にはならないんですか?――