しばらく泣き続けた黒川は、ようやく落ち着きを取り戻した。






「先生…すみませんでした」


「いや、かまへんで。泣きたいときは泣いたほうがええからな」





「先生、ありがとうございます」





少し、微笑んだ。

















「先生。私の苗字はなんですか?」


「え?…それは、“黒川”やろ?」




「はい。……でも、違ったんです」


「??」








なんか、複雑な話になりそうやな。










「待て。それって、俺が聞いてもええ話なんか?」


「……」


「…どうなん??」


「……」








教師である俺が


生徒の家庭事情に



首をつっこんでは…いけない。