胸の中に、冷たい風が吹き込んできたような気がした。










まだ秋には程遠いというのに、なんでやろ。





















なんで神様は


俺と奏美を離したがる?














…あぁ、そっか。



神様も奏美のことが好きなんや。




せやから俺を、遠くに飛ばしたがるねんな。


















せやけど、無駄や。






奏美は誰にも渡せへん。








今まで大事に大事に、俺なりに守ってきた彼女を


ひょいと出てきた神様になんか渡すもんか。





















なぁ奏ちゃん。




俺に会えなくなったら







もう俺のことなんか

忘れてまうんか?












心の隅からも

追い出されてまうんか?