それから、男子と見つめあっていた――と思う。

この至近距離でも見えない。



わたしは目が悪い。かなり悪いほうだと思う。
本当なら、すっとメガネをかけていないといけない。

だけど、わたしはかけない。何も、見たくないから。

教室に行かなくなってから、目が悪くてよかったと思い直した。

「見えない」って、気が楽だ。
いつも、プールの中にいるみたい。


はっきりいって、見えなくても困らない。
わたしは授業を受けていないから。

それに、わたしは信じてる。

本当に大事なものは目に見えないって。

(こういう生活を送っていると、キレイ事が好きになるみたい。)