クラスメイトがざわつき始めた。

「誰だっけ?」「不登校の子じゃない?」「懐、なんで喋ってんの?」

わたしは気にせず、おはようを返した。


カバンを開けながら、いままでで一番近くに懐を感じていた。

こっそり心のなかで呟いてみた。

――――懐だけが好き。