フェンスが傾いて、重心も下に傾いた。

――落ちゃう!!

「だめーーー!!」
「待ったーー!!」

わたしの声と誰かの声が重なった。

その人はわたしの横を走りぬけて、いまにも落ちそうなところでフェンスから引き離した。


「よかった~」
その人は言った。

――あれ?どういうこと?