学校を勝手に早退して、家に帰ってきた。
淑乃先生は出張でいないから、学校にいてもしょうがなかったから。

家の玄関は鍵がかかっていなかった。かけ忘れて出てきちゃったのかな?

恐る恐るドアを開けると、リビングのあたりで物音がした。

「だ、誰?」

果敢にリビングに入った。

「「あっ」」

2人の声が重なった。
2人――わたしと母。