―朝7時―

ぴっぴぴぴぴぴぴっ バン!!

「…うるさい。」

朝、目覚めた少年・岸尾悠弐は、
人一倍寝起きが悪いため、
気持ちよく起きられないという。

「オイ、イチイ。
 朝メシと弁当用意したか?」

悠弐は制服に着替えながら
同居中の籤天ノ川壱威に聞く。

「もっちろんろん。
 今日はお給料日前だから
 あんまし豪華じゃないけどに」

壱威と呼ばれた少女は
自分の黒い弁当箱とお玉を
持ち、ぬはははと笑う。

―そう、俺達は何故か同居してる。

理由は1つ。
俺が壱威に負けたから。

家族のいない初対面の壱威と、
2人で同居する事になった。


でも壱威は毎朝4時に起きて
洗濯物を洗ったり、メシを作ったり、
家事はほとんど壱威がやってくれる。

俺は買い出しとか風呂掃除
とかやってるだけだが壱威は
「そばにいてくれるだけで嬉しい。」
って言ってる。