突然店に現れたから、ｶｰﾘｰ店長も
びっくりしたって言ってたな。
アポなしで開店と同時に現れた
長谷川鈴江氏は迷うことなく
あのロールケーキを指差したと言う。
見た目は普通のロールケーキ。
ただ、表面を黒糖でコーティング
してあるから黒くて目立つかも。
黒糖は珍しくていいかな？と
思って作ったんだけど、
日本人である長谷川鈴江氏の
舌に留まる味とは到底思えない。
なんでだろう？
そして、ｶｰﾘｰ店長を呼びつけて
『これを手掛けたパティシエは誰かしら？』と言った。
作ったのは店にいるパティシエだけど、
考案者は私だと告げれば
『逢いたい』と申し出たと言う。
もしかすれば、パティシエールの卵で
ある真っ白な人材である私に
興味を持たれたのかもしれないなと、
後でｶｰﾘｰ店長は言ってくれた。
お店は地元じゃ有名だけど、そんなに
広くはないし見栄えもインパクトなし
(ｶｰﾘｰ店長ごめん！)。
店舗拡大も、味を守れなくなるとの
理由で１店舗のみだし、
取材ももちろん断っている。
だからほとんどメディアに出ない、
いわば穴場的なスポットに
なぜ長谷川鈴江氏は足を運んだのか。
それすら理解出来ない私だった。
