茜の空




返す言葉が見つからない。



『好きだよ。』



ストレート過ぎる言葉が全身に響く。



はい…。
ありがとうございます…。



『返事は急がない!いつまでも待つから。だから、本気で考えてほしいんだ。』



膝の上にある修二の手が微かに震えてる。



『…わかった。ちゃんと考える。』



『うん。話はそれだけ!ごめんな、遅い時間に。』



『ううん。かなりびっくりさせられたけど。』



そう言うと修二は少しはにかんだ。



『車まで送るわ。』



こういうとこも、昔と変わんないな。
呼び出した後は家まで送ったり最後まで
面倒見がいいとこ。



『送ろうか?』と聞けば断られた。
近くのパーキングに修二も停めてるみたい。



『じゃあな。』



軽く手をあげてクルリと背を向ける。