茜の空




帰り道。



『ありがとうね。』



私は何度目かのお礼を言う。



並んで歩く2人。



『ちょっと待ってて』と言って、
霧島くんは脇道にある自販機で何か
買ってる。



『ハイ!』と差し出されたのは
冷たいカフェオーレだった。



『これ飲んだら明日、二日酔いしないから。』



『あ、ありがとう。そうなの!?』



『うん。みんなよくカフェインとりがちなんだけど、ホントはミルクを多く含んだカフェオーレが一番効くんだって。』



『へぇ~!じゃあ、今飲んじゃお。』



プシュッと開けて一気飲み。
我ながら缶ビールか!って突っ込み(笑)。



顔を上にあげて飲んでると、
体の重心が崩れてふらついてしまう。



ヤバッ…!と思った瞬間、
腕を掴まれて体勢を持ち直す。



『だ、大丈夫!?』



『う、うん。』



とっさに霧島くんは私を支えたせいで
抱き寄せる形になってしまった。