茜の空




10分ほど歩いた所で、ようやく朋美の
住むマンションにたどり着いた。



『ここなの。ちょっと待ってね。』



私は朋美のカバンからカギを出し、
オートロックを解除した。



手慣れてるでしょ?
実はこういうの初めてじゃないのよ…。



『こんなところまで付き合わせてごめんね。』



もう一度、霧島くんに頭を下げた。



『全然!気にしないで。』



気にするよ~!
生徒に世話なっちゃってどうすんのよ私…。



カギを開け、玄関先の電気を付ける。



霧島くんが入る前に、部屋干ししてる
下着の山は何とか片付けた。



朋美のヤツ…焼き肉おごり決定だな。



『朋美、家着いたよ!』



少し揺さぶってみるも、全く起きない。
完全に爆睡してるわ。



靴を脱がし、そのままベットに運ぶ。



布団をかぶせ、私はいつものように
“カギはポストに入れてます”とメモに書き留める。



そっと2人は朋美のマンションを
後にした。