茜の空




とっさに霧島くんが言う。



『俺、もう上がりなんだ。だから前のベンチで待ってて?この調子じゃ危ないし、俺送るから。』



『へっ!?いいよ、タクシー拾うし。』



私の言葉もそこそこに
『いいから、いいから。』って答えてる。



ホント、あっという間に着替えて店から
出て来た霧島くんに唖然…。



急いでくれたんだろうなってわかる。
だって着ていたポロシャツの衿が片方
だけ立ってる(笑)。



私としては、かなりの予想外な展開…。
どうしよう…!



男手があるのはかなり助かるけど、
相手は仮にも生徒だし。



そして隣でグースカ寝る朋美…。
殴ってやろうか。バカ。



『俺、おぶります。』



そう言うとしゃがんでヒョイと軽々、
朋美をおぶった。



『ホント、ごめんね!待ってたら寝ちゃって…。』



『それより友香ちゃんは大丈夫なの?同じくらい飲んでたよね?』



『私?何か今日は大丈夫みたい。朋美の方が先につぶれちゃったし。』