何故か拍手が起こる。
え?え?ええー!?
教卓の前に立つ。
みんなの視線が自分に集中すると、
背筋がピンと伸びた。
『今思い返せば、すごい縁でみんなと出会えたんだなと思います。最初は不安だらけだったけど、逆にみんなが色んなこと教えてくれてて、実は私の方が生徒でした。ホントにありがとう。もしもこの先、何かに迷ったりどう進めばいいのかわからなくなった時は、1人で考え込まずに周りに相談してください。そして
夢を持って、笑顔を忘れないでください。今日までありがとうございました。』
一礼すると、準の友達が立ち上がった。
『友香ちゃん!泣けるぜ!俺と付き合って!』とおどけてみせる。
ドッと笑いが起こり、1人の女子が言った。
『友香ちゃんは準だよね!?もう時効じゃない!?卒業したんだし、公表しちゃえ!!みんなも祝福したいよねぇ?』
その一言にみんなが賛成した。
萩原先生が私をチラリと見る。
ヤバイと思い、そっと横目で萩原先生
を見るとニヤニヤした顔で全てを悟ったようだった。
『ははーん、長瀬。俺との約束を破ったわけだな?』

