茜の空




意地張って、
余計友香の怒りをかって、
傷付けた。



最低だよ、俺……。



自分だけが惨めな気がしていじけてた。



迷惑だってセリフが頭の中全部を
支配して、気付いたら変な
クラブに出入りしてて、変な女に
気に入られてた。



心なんて存在しないのに、
飲み慣れない酒を飲み干して、
フラフラのまま家に帰って…。



誰もいない部屋。
両親は海外で仕事してて、
俺はマンションに一人暮らし。



1人には慣れてるはずなのに、
思い出すのは友香の笑顔ばかりだ…。



あの笑顔はウソだったのかよ…。
待ってくれるんじゃなかったのかよ。



全て否定された俺は
どうすりゃいいんだよ…。



学校なんて行けねぇ。
今、顔見るの正直辛い。



また友香を困らせそうだし、
マトモに見る勇気さえなかった。