茜の空




『大丈夫か!?何かあったのか!?』



『いいえ、何も。すみません、失礼します。』



私は頭を下げ、職員室を後にした。



学校の中では追いかけることも出来ない。



思わず言ってしまった一言で、
君を傷付けた。



考えて考えての結論だった。



あれから3日間、君は学校を休んでいる。



連絡も途絶えたまま。



悩んでいる姿は見せないものの、
何人かは君のことを聞いてくる生徒
もいた。



『準と連絡取れないんだけど友香ちゃん居場所知らない?』



『ごめん、わかんないや。もし彼から連絡きたら教えてね。私も自宅にかけてみるから。』



そう言うしかなかった。



誰も社会科職員室前での出来事を
聞いて来ない。



生徒たちの配慮なのか、萩原先生の
配慮なのか、真相はわからない。