茜の空




そして、2人の後ろを指差す。
2人して振り返ると、ケーキを焼き終えた生徒たちがニヤニヤしながらこっちを見ている。



『友香ちゃんの彼氏!?』
『なぁーんだ、やっぱ彼氏いるんじゃん。』
『彼氏カッコいい!!』



慌てて私は弁解する。



『ち、違うよ!ホントそんなんじゃないんだってば!!』



すると、隣にいた修二は
生徒たちにペコリと頭を下げた。



『あ、どうも、彼氏…じゃないけど、なる予定です。』



『…………!!』



思わず修二を見上げる。



その後、生徒たちの奇声に包まれた
のは言うまでもない。



『違うから!違うから!』と言って
もその声は届かない。



慌てて2人をカフェに入れた。



『ホンット彼女たちの噂、口コミの速さはすごいんだから。曖昧なこと言わないでよ~。』



席につくなり修二は開き直る。



『別にいいじゃん。そうなるんだから。』