茜の空




あの目で見つめられたら動けなくなる。



完全に私…矛盾してる。



でも止められないの。



心とはウラハラに、私が君を求めてる。



終わりなんて言わないで。



少しでも長く、君を感じていたいから。 



だから、最後の信号待ちに差しかかった時。



公園へは右折だけど、
私は直進するよう君に伝えた。



戸惑いながらも素直に聞き入れてくれた君に、更に道を指示してく。



そしたら、マンション前に到着。



ホントはね、ここでちょっと待ってもらって渡すつもりだった。



でもやっぱり……。



バイクは私の車の隣に停めた。



不思議そうに私を見つめるその顔に
『ついて来て』と言ってしまった。