茜の空




来なきゃよかった…なんて、ズルい考えだよね。



気持ちはぐらついているのに、君とこうして触れ合うことがこんなに心地いいと感じてる。



君の手は、私の髪から頬へ。



恐る恐る見上げると、真っすぐな瞳の中で動けなくなる。



観覧車内も薄暗くなり始めた。



もうじき頂上へというアナウンスが流れる。



『好きだよ。』



もう一度、君は言った。



ゆっくり顔が近付いてくるのがわかる。



とっさに首を振って、ギリギリまで抵抗して。



『ダメだよ…。』



そんな声なんかかき消されるのわかってるのに。



『友香は俺のこと嫌い?』



なんでそんなこと聞くの?
やめてよ…。



君から目が離せなくて、一瞬言葉を失う。



嫌い、なんて言えない。
言えるはずがない。