茜の空




『ハイハイ静かに!関係のない質問はやめろ!それじゃあ出席とるぞ~!』



場を切り換えて切り盛りする先生に
ちょっとばかし感謝。



慣れてないせいか、女子高生の勢いある
唐突な質問に正直うろたえる。



『赤木~……伊藤~……』



順番に先生が名前を呼び、
生徒は手を挙げて返事をする。



私は隣で名前と顔を確認してた。



まぁ、一発で覚える自信ないけどね。



『川上~……木下~……霧島~……ん?霧島~?』



霧島くん…って子の返事がない。



そういや、誰も座ってない机が後ろに
ひとつある。



『欠席か…』とペンで頭をかきながら
次の人を呼ぼうとした、その時。



ガラガラ!と勢いよく開いた扉。



全員が注目した先に立つ生徒は、
かったるそうにカバンを肩にかけ
『セーフ…』とだけ言った。



セーフ!?
んなわけないでしょ!?