「は?…………………………………今、なんとおっしゃいました?」



「今年の夏は、暑いのをやめるかと言ったんだ」


「いや、あの……意味が分からないんですけど?」


「そうだろうね。これは、国家の極秘事項だからね」


傍らにあった灰皿に火のついた煙草を押し付けると、幹事長は机の引き出しを開け、中をごそごそと引っ掻き回していた。


「え~と…確かこの中にあった筈なんだがな……あった、これだこれだ」



机の上に置かれた、一冊のノート。



そのノートの白い地の表紙には大きく『マル秘』と書かれ、その下には、こんなタイトルが記されていた。