家路についたゼロは少し嫌な予感がしていて、急いで家に向かっていた。



家に着くと嫌な空気が漂っていた。
自分が家を出た時とは一変していて、あたりは静まり返っていた。

「ただいま
母さん?」

家にいるはずの母さんに呼びかけてみる。

「母さん、居ないの?」

それでも返事が返ってこない。おかしい、家を出る前にはいたはずだしどこかに出かけるとも聞いていない。
このままでは拉致があかない、と思い家の中に入ることにした。

ドアに手をかけた。
カギは、開いていた。

ゼロは恐る恐る家の中に入った。

家の中はぐちゃぐちゃだった。僕が出かける時はきちんと整頓されていた本棚も机も椅子も、全てが散乱していて、足の踏み場もない悲惨な状態になっていた。

ゼロの家は代々武器屋の家系で度々魔物に襲われることはあったがいざという時に戦えるように訓練しており、対処出来ていた。
だから今まで家がこんなに荒らされることは初めてだった。