思い返せばあれは、真夏の夜の夢のようで。 でも、決してそれは、悪夢なんかじゃなくて。 優しくて、あったかくて、そして、冷たかった。 熱に浮かされたように求め合って、だけどそこには愛も恋も何もなくて。 薄命っぽくて、 明日のことなんて考えてなくて、 とにかく自由が似合う、 好きなことだけしてる人。 例えるなら、まるで、風のような、雲のような、刹那で生きる人だった。 そしてあの人は、 夏の終わりと共に消えた。 彼は今も生きているのだろうか――。