「良かったら力也の話し相手になってちょうだいね。この子ったら、とても寂しがり屋さんだから、毎日、お母さん、お母さんって、うるさいのよ」

「いちいちいらんこというなよ」

「そんな口の利き方するんだったら、クリスマスプレゼントはどうしようかなぁ?」

「ふふふっ」

水嶋は口を押さえながら笑った。

ようやく力也の母親がいなくなった後、
力也は急に病室の空気が重くなるような気がした。

「きょ、今日はお見舞いに来てくれて、ありがとう」

「うん」

「それから、クリスマス会に行けなくてごめんね」

「うんん、怪我しちゃったんだし、しょうがないよ」

「でも、僕が行けなくても、他にお友達が……それに今日だよね? クリスマス会……」

「誰もいなかった」

「えっ」

「急に『今日は予定が出来たから行けない』って……」

「あの5人みんな? もしかして……僕のせい……」