「ポケモンのソフトとサッカー系のソフトと」

「いい加減にしなさい! すぐに調子に乗るんだから力也は」

また母親に怒られた力也は、

「もういいよ」

と言って布団を頭からかぶり、ふて寝をした。

力也が眠ろうとした時、

「こんにちは」

という可愛らしい声が病室に響いた。

「高橋君、足、大丈夫?」

「おっ、水嶋やん。来てくれたんだ。ありがとう」

「ちょっと、力也! 水嶋さんでしょう。ごめんなさいね。ほんとこの子は生意気で」

「いやいや、高橋君のお母様ですね。こんにちは」

「こんにちは。わざわざここまで来てくれたのね。遠かったでしょう?」

「そんなことありません。電車で30分くらいですから」

「えっ、30分もかかったの。ありがとうね。あっ、そうそう力也、お母さんは今からちょっと仕事の電話してくるから」

「うん、ついでに売店でアイス2個買ってきて」

「もう、力也は……あのお嬢さんのお名前は?」

「わたしは水嶋杏といいます。高橋君とは同じクラスのお友達です。」

「水嶋さんは本当にしっかりしているわね。うちの力也とは全然違うわ」

「早く仕事の電話をしにいけば?」

力也は口を膨らませながら言う。