今までは毎月の振込みが十五万円前後だったのに、いきなり一千万円もの仕送りを最後にあたし達の前から忽然と姿を消した。

お父さんに逢いたい、といつも願っていたお母さんは、東京へ来て間もなく持病の心臓病が悪化して、三年前に天国へ旅立った。

それから、この東京であたしは、哲治さんしか頼る人がいなくなった。

だけど、ある日突然、テツジは、あたしに風俗で働け、と……

しかも、俺と会いたければ、お金を持って店に来い、と……

あたしはテツジに会いたかった。一分一秒でも長く強くあたしを抱きしめて欲しい。

だから、だから……