しばしの沈黙の後、正造の目から薄っすらと水の膜が張ったように見えたが、意識的に欠伸をした振りをして、しわしわになっている右手で目を強く擦った。

「おい、もうそろそろ寝るか。明日の朝、くそ生意気なあいつに、わしの大事なそこの模型を渡して置いてくれ」

「あんたが直接、恭平に渡せばいいのに、親子して性格が似ているわね」

「ふっ、あいつと一緒にするな、と言いたいところだが、まあ、わしにとって大事な息子だからな」