「これ、みんな、恭平の夢が詰まった作文よ。ここには、将来、お父さんのような立派な大人になりたい、って書いてあるわ。あの子のあの夢は小学三年生からよ。いつかパイロットになって、お父さんとお母さんを世界中の色んな場所に僕が案内したいんだ……て……」

陽子は軽く曲げた右手の人差し指で何度も涙を拭った。