「くそっ、あいつめ……」

西村の父親、正造が俯き加減で畳に拳を打ちつけている。

「あんたは、ほんまアホやわ。恭平はあんたのこと……小さい頃から、あんたのこと……」

母親の陽子は首を細かく横に振りながら、深くため息をこぼした。

陽子は箪笥に仕舞ってあった、数枚の黄ばんだ紙を正造の目の前に置いた。