『箒星の組み紐』

「仏教やキリスト、イスラム、どんな宗教が上とか下とか、何月何日が特別とか、そんなの関係ない。今夜のように毎日が奇跡なんだ! 俺らが『今』生きている毎日が奇跡なんだよ! だからこそ、毎日を感謝しなければならないんだ。そのことを、いつの間にか忘れてしまっているんだ! 俺達は……」

俺はふと、おかんを見た。おかんはオーロラにこれからの未来への願いを祈るかのように、しっかりと手を合わせて深々とお辞儀をしていた。俺もおかんと同じように手を合わせて、「今夜は本当にありがとうございました」と囁きながら深々とお辞儀をした。